社内を連携するBtoBマーケティングABM(アカウントベースドマーケティング)実践に向けたセミナー

近年盛り上がりを見せているBtoBマーケティング。全社的な視点でマーケティング改革に取り組む企業が増える一方で、組織や運用の壁に阻まれることが多いのも現状だ。どのようにしてマーケティング部門で創出した案件を売り上げにつなげていくのか。

今回はその突破口として、BtoB企業マーケティングの第一人者、庭山一郎氏を迎えて現在注目されているマーケティング手法「ABM」について具体的な事例を交えながら語っていただいた。

2部は日本経済新聞社デジタル事業BtoBユニット松吉裕太氏が、社内連携を加速させるために必要な情報ツールについてプレゼンテーションを行った。その一部をレポートとしてご紹介する。

社内を連携するBtoBマーケティングABM(アカウントベースドマーケティング)実践に向けたセミナー


基調講演 「ABM でがっちり繋がるマーケティングと営業」 ~売り上げ最大化に絶対必要な3つのポイント~

庭山一郎氏(シンフォニーマーケティング代表取締役)

 

最初に登壇したのは、これまで300社を超えるBtoB企業のマーケティングに携わってきたシンフォニーマーケティングの庭山一郎氏。製造業、IT、建設業、サービス業、流通業など各産業の大手企業を中心に国内・海外向けのマーケティングサービスを提供している。 2016年に『究極のBtoBマーケティング ABM』を執筆した庭山氏が、ターゲット企業からの売り上げを最大化する手法を、事例を交えて紹介してくれた。



“売れる仕組みづくり”としてのマーケティング

 庭山氏によると、マーケティングという言葉は普及しているものの、実は世界でオーソライズされた定義はないのだそうだ。そこで、庭山氏が率いるシンフォニーマーケティングでは、マーケティングを売れる仕組みづくりとして定義。案件をつくるためのマーケティング活動に取り組んでいる。

案件をつくり、営業あるいは販売代理店に案件を安定供給するのが「デマンドジェネレーション(営業機会の創出)」であり、これを司る仕組み、もしくは組織を「デマンドセンター」という。

同社ではABMを「全社の顧客情報を統合 し、マーケティングと営業の連携によって、定義されたターゲットアカウントからの売り上げ最大化を目指す戦略的マーケティング」と定義している。このABMを実現するためには、まずデマンドセンターを立ち上げることが第一歩となるという。

社内を連携するBtoBマーケティングABM(アカウントベースドマーケティング)実践に向けたセミナー


アクセプト率93%。営業の無視率を劇的に減らすABM

 2013年、庭山氏がアメリカで参加したカンファレンスでABMの事例が紹介された。その時のテーマは「50%以上の営業の無視率をどうやって減らすか」というもの。マーケティング先進国のアメリカでも当時は50%以上もあった。そんな中、ABMを導入したアメリカの事例では、マーケット部門が創出した案件に対して、初年度でアクセプト率63%。次年度は93%にまで上昇したのだそう。このデータは衝撃的だったと庭山氏は語った。一方、今の日本ではまだ95%もの案件(MQL)が営業に無視されているのではないかと庭山氏は語る。つまり、まだマーケティング部門の必要性が営業に認識されていないのである。

「デマンドジェネレーションの場合、まずは市場を定義します。例えば、ターゲットを自動車部品製造業の中堅、売上500億円以上~3000億円未満の企業、設計部門の人、のように定義します。しかしABMの場合は、ターゲットアカウントの開発事業所の研究開発センターか設計センターで自動運転を研究していて、稟議書を書ける課長職の人、というように何をしている人なのかということを決めてからマーケティングをします」

営業目線でマーケティングを再設計するのがABM。だからこそ、営業が案件を追い、劇的にアクセプト率を上げることが可能になるのだという。



売り上げ最大化に絶対必要な3つのポイント

 売り上げを最大化するABMを成功させるにはどうするべきか。庭山氏は、3つのポイントがあるという。その3つとは、デマンドセンターで運用する「データマネジメント」「コンテンツマネジメント」「アナリティクス」のこと。「BtoBのビジネスチャンスは非常に短いからこそ、高度な分析・解析が非常に重要になる」と事例を挙げつつ、これまでのビジネスではターゲットアカウントに対して、営業窓口がひとつだったことに言及した。点から面の営業へ。つまり、窓口をターゲットアカウント全体に広げ、全社的に製品を購入してもらう仕組みをつくることで、ターゲットアカウントと強く結びつき、ロングテールよりも遥かに効率的に売り上げを最大化にすることができると庭山氏は話してくれた。

 最後に、「日本企業の文化として、これまでアカウントベースドセールスを行って来たからこそ、ABMの導入に向いている」と語った。



プレゼンテーション「社内連携を加速する『日経の情報共有ツール』

松吉裕太(株式会社日本経済新聞社 デジタル事業BtoBユニット)

 

 続いて登壇したのは、株式会社日本経済新聞社デジタル事業BtoBユニットの松吉裕太氏。マーケティング部門とセールス部門の間に横たわる溝を解消する一助となる情報共有ツールについてプレゼンテーションを行った。



企業活動における課題

 売り上げを拡大する上で課題となるのは、マーケティング部門とセールス部門の間に横たわる溝だと松吉氏は語る。「マーケターは彼等の論理でリード(案件)をつくりあげてセールス部門に送ります。しかし、営業の要望とは異なるため無視されてしまうリードがとても多いのです。場合によっては、マーケティング部門が顧客に送ったメールを担当営業が怒ることすらあるのです」

 こうしたミスマッチを埋め、マーケティング部門とセールス部門が共に手を携えることで売り上げ拡大につなげるのがABMなのだという。その前段階の課題として、SFA/CRMを導入した企業の活動実態調査を例に挙げて解説した。結果として見えてきたのは、「データに基づいた営業戦略の立案」「顧客の情報把握」、この2つが成功をもたらすための鍵になるのではないかと話した。

社内を連携するBtoBマーケティングABM(アカウントベースドマーケティング)実践に向けたセミナー


ABMを加速させる外部情報

 松吉氏によると、ABMの特色のひとつでもある「顧客の情報把握」は車に例えると分かりやすいのだという。

 「顧客に関するニュースや人事異動、人物プロフィールなどの外部情報を車の前輪に例えると、後輪はマーケティング部門が持っている顧客属性、サイト回遊状況、リタゲレスポンス、商談状況などの内部情報になります。内部情報と外部情報、この両輪を上手く回すことで、四輪駆動の推進力が期待できるのではないでしょうか」と話した。

この推進力を加速させるために、外部情報を取得するソリューションとして、「日経バリューサーチ for SFA」を紹介した。「日経バリューサーチ for SFA」は、各企業で使用している既存のSFAと日経情報を連携することができるため、ABMを強化することができる。

 「精度と鮮度の高い外部情報を仕掛けのひとつとして、ビジネスに取り入れて行くことで、お客様とのコンタクトポイントを増やすことに活かして欲しい」と日経の情報を取り入れる有効性を提案し、ABM実践に向けたセミナーを締めくくった。

 

 

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日経バリューサーチの活用事例
富士通株式会社様

信頼のある情報を糧に、新領域・新ビジネスを切り拓く

ICT分野でトータルソリューションビジネスを展開する富士通は、「新領域・新ビジネスの開拓」によるビジネス拡大を狙い、それを切り開く営業部門の支援を強化してきた。新たな分野の開拓には企業分析や業界の動向把握が欠かせない。そこで、2013年に日経バリューサーチを導入。その活用方法について、グローバルマーケティング本部BI高度化推進統括部の新井眞一部長と堀井昭宏部長に聞いた。

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