セミナー・レポート | 2019.6

~世界最新の営業プロセス~

セールス・イネーブルメントと進化するSFA活用セミナー

日本経済新聞社は2019年6月、東京と大阪で「~世界最新の営業プロセス~ セールス・イネーブルメントと進化するSFA活用セミナー」と題したセミナーを開催しました。

講演1

組織の壁、意識の壁を破る
セールス・イネーブルメントとは

株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 代表取締役社長
小串 記代 氏
株式会社富士ゼロックス総合教育研究所は、富士ゼロックス株式会社からパーソルホールディングスへの株式譲渡により、2019年7月1日よりパーソルラーニング株式会社に社名変更。
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野球を変えた“データ活用”が、営業組織も変える

MLBの世界を描いた映画『マネーボール』では、財政面で不利だったオークランド・アスレチックス球団が、統計とデータ分析をベースに選手をスカウトし、潤沢な資金力を誇る強豪チームを打ち負かした事実が描かれました。データ分析の本質は、見えない価値を「見える化」することで実践することであり、テクノロジーが発達した現代はデータを活用することが営業組織にとっても不可欠です。

セールス・イネーブルメントとは?

営業とマーケティングが乖離した組織から脱却し、「顧客のカスタマージャーニー(認知/検討/購買のプロセス)に迅速に対応するための、組織全体が連携して営業を支える仕組み

今、営業プロセスの分業化が進み、他の部門と一緒に顧客に価値を提供していくスタイルに移行しつつあります。マーケティング、営業企画、営業推進、営業本部といった多くの部門に分かれている企業の営業現場からは、「各部署から施策がバラバラに降りてくるので、現場は大変だ」という声も聞かれます。同一のKPIで連携して進められればいいのですが、なかなかうまくいかないのが現実ではないでしょうか。

バラバラの施策や一貫性のない顧客へのメッセージを統合して、会社としてひとつのビジョンを浸透させて仕組みを構築していくことが、セールス・イネーブルメントです。

組織全体が連携して営業を支える
セミナー配布資料より

セールス・イネーブルメントのカギ

セールス・イネーブルメントで最も重要なのは、経営者のスポンサーシップです。社内の各部門が部分最適にならないよう、より良く連携させるための戦略・規範を定義し、関係者に理解・共有してもらうことが出発点です。

その上で、自社の中での優先度を見極めて、セールス・イネーブルメントを構成する以下の要素を実施していくのが得策でしょう。

  • 営業を支援する各部門がより良く連携するための公式の“機能間連携”のモデルを確立
  • SFA/CRM、AI、コンテンツ管理システム間の連携を促す“テクノロジー活用”
  • 一貫性のある価値メッセージを伝えるための、「コンテンツ」「トレーニング」「コーチング」から構成される“支援サービス”の実施
  • 効果的に運営されているかをモニタリングする“オペレーション”
セミナー配布資料より

これまでの営業力強化との違い

どの企業でもこれまでも営業力強化に取り組んできたはずです。今注目されているセールス・イネーブルメントが従来の営業力強化と異なるのは、まずは機能ごとのバラバラな取り組みではなく、すべての機能に「一貫した施策」を構築すること。さらに、「顧客に焦点を当てた機能間連携」を促すことです。

どれだけ本気で顧客のために活動できるのか。顧客の成功に向けて一緒に歩める企業となるためには、「売る仕組み」ではなく、「買ってもらえる仕組み」をつくるという考えが必要でしょう。データを活用しながら本質的な人の行動を分析し、巧みに融合させて、より効果的なセールス・イネーブルメントの施策を実践すること。それが我々の狙いです。そのためには多くの活動が必要であり、簡単ではありません。しかし、これからの営業には不可欠な取り組みであると考えています。

講演レポートは2019年6月13日に開催したセミナーの抜粋です。

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講演2

効率だけではない!
営業育成のためのSFAツールとの融合事例

株式会社富士ゼロックス総合教育研究所 シニアコンサルタント
河村 亨 氏
株式会社富士ゼロックス総合教育研究所は、富士ゼロックス株式会社からパーソルホールディングスへの株式譲渡により、2019年7月1日よりパーソルラーニング株式会社に社名変更。
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名ばかりのセールス・イネーブルメントによる残念な状況

セールス・イネーブルメントにおける課題点は少なくありません。名ばかりのセールス・イネーブルメントであるがゆえに起こる「残念な状況」が現実にあります。例えば、マーケティングがインサイドセールスを駆使して良質なリードをつくっても、営業がそれを使わない。営業からは「大きく、確実に決まるリードをくれ」といった声が聞かれます。

また、資料を標準化し、トークを統一する取り組みにおいては、標準化したことで誰にも刺さらず、訪問件数こそ増えたものの商談が減少したという事例もあります。与えられたものを営業がただ持っていっても、魂が入らなければ当然でしょう。ほかにも、コンサルティング営業やデータ活用といった「営業の質」を教育したのに、現場の上司がまったく理解できず、結局KPIが訪問件数のままという状況も起こります。

ひと昔前だと、優れたプレーヤーだったマネージャーが自分のノウハウをうまく伝えられずに「背中で覚えろ」的な教育をしていたことが問題でした。現在では、上司が現役の頃とは売り方も商品も顧客もすべてが変わってしまい、「マネージャー自身が何も教えられなくなってしまった」。もはや、上司が背中で教えることもできないのが現実なのです。

残念な状況に陥る背景

例えば、良質なリードや資料の標準化、教育支援といったコンテンツが提供されても、営業マネージャーと営業部員のミーティングでは目先の数字に追われて具体的な施策はなかなか語られません。営業力強化のための支援内容(コンテンツ)と実際の営業マネージャーの管理項目が一致していないがゆえに、狙った通りのマネジメントに至らないケースが発生します。

また、営業はエリア型とアカウント型に大別されますが、エリア型はシンプルに市場を面で捉えて種まきをして、育ってきたリードをスピード感を持って刈り取っていく考え方。一方、日本企業では、特定の顧客と長くつき合うアカウント型のケースが多く、エリア型営業とアカウント型営業との境界が曖昧になっていく傾向が強い。一見エリア型の顧客リストでも実情は、良く言われる「パレートの法則」のように2割の顧客が8割の売り上げを占める、といったことがほとんどで、2割の重要アカウントと8割のその他顧客に対して、メリハリをつけた営業戦略を持てている会社は多くありません。

このように、会社としての支援施策の前提となる現場の状況認識が乖離しているケースも多い中、コンテンツ(すべきことや発揮する能力)がマネジメントを含めて一致していないと、活動の効率化を追求し、施策をいくら管理しても生産性は向上しません。

コンテンツがシステムやマネジメントと有機的に連動した事例

営業マネージャーと営業担当者との打ち合わせには、3つの目的があります。

  • 1. 案件の進捗管理
  • 2. 戦略検討
  • 3. 指導・育成

これを未整理のまま、事前準備なしで行うと、不毛なミーティングになりがちです。つまり、進捗確認だけでいい案件と問題案件として具体策を練る案件をきちんと分けておく必要があります。その方法を具体的にご説明します。

問題案件を把握するための「ファネル管理」「マイルストーン管理」

まず「受注確度」と「商談進度」を意識する必要があります。「受注確度」とは、その商談が決まる確率がどれくらいかを示すもので、「商談進度」は顧客の購買プロセスの中で、どこまで意志決定が進んでいるかを示します。通常は、商談進度が上がるほど、確度もアップします。ただし、既に決定促進の段階でも、3社横一線の最終プレゼンであれば、受注確度は3分の1に過ぎません。対して、提案前の課題共有段階であっても、購買実績のあるキーマンが強く興味を示してくれた場合であれば、進度は低くても過去の実績から受注確度は高くなります。

そのために我々は「ファネル管理」の導入で受注確度の信頼性を検証すること、さらに商談進度(特に次年度の予算取りから始めなければならないような長期案件など)を「マイルストーン管理」することにより、問題案件とそうでない案件を見極め、それをツール、教育内容、マネジメントまで一致させて取り組んでいくことを提唱しています。

受注確度の信頼性を検証する「ファネル管理」

「ファネル」とは、「漏斗(じょうご)」の意味で、見込みを含めた多くの商談から、確度の高いものに絞り込んでいくことを意味します。

ファネル管理では、商談進度(事前準備→興味喚起→課題共有→提案→決定促進→構築納入)、案件固有スコア(例:「面談者の影響力」、「キーマンの姿勢」、「競合がいるか?」など)、キーマンに設定された取引先責任者の影響度で受注確度をスコア化します。

客観的事実ベースのスコアと営業担当者の主観による「確度ランク」とを対比してすり合わせを行います。営業が好感触を持っていても、意外にスコアが低いこともあり得ます。そんなケースでは、マネージャーと「なぜスコアが低いのか」を話し合い、スコアのほうを修正して進める場合もあれば、リスクを考慮して、対策を練ることもあるでしょう。ズレが生まれることで、メンバーとマネージャーの対話が生まれるし、メンバーがスコアを認識しながら日頃の営業活動の有効性を考慮するようになる効果も生まれます。

商談進度から対話のきっかけを演出する「マイルストーン管理」

商談進度から対話のきっかけを演出するケースが「マイルストーン管理」です。例えば、4ヶ月後に受注したい商談は、そこから逆算して、2週間以内にはキーマンに会い、2ヶ月半後にはキーマンの同意を得られないといけない。3か月後には、もう最終選考に残っているようにと、マイルストーンを設定する必要があります。SFAを活用すれば受注予定日を入れると、商材タイプに応じて逆算して「この日までにこれをクリアせよ」という目標が設定することができます。不必要なマイルストーンを外すとか、「この顧客はこの段階でもっと時間を要する」などと、営業担当者が自分で手を加えてコミットメントして確定します。

しかし、すべての案件でここまでやる必要はなく、重要案件を見極めて、このような機能を活用してコンテンツとマネジメントを管理するということです。現状の見込みと目標値とでギャップとなる部分を拡大・開拓する必要のあるものをファネルやマイルストーンで管理するのだということ。そして、予定通りに進捗していない案件に関しては、メンバーと対話しながら対策を練る、といったメリハリをつけることが大切ということなのです。

参考:案件の質向上とマネジメントの効果・効率化に向けて

セミナー配布資料より

アカウント営業、「信頼できるパートナー」と認知されるには?

アカウント営業では、営業が顧客からどう見られているかが受注に大きく影響します。単なるサプライヤーなのか、コンサルタントなのかパートナーなのか。
では、顧客から「戦略的貢献者」あるいは「信頼できるパートナー」だと思われるためには、営業は何をしなければいけないのでしょうか。

商談においては、顧客の一部門から見積依頼が出ているに過ぎないので、それが顧客の事業課題にどう貢献するかまで期待もされていないし、売る側も考えない。しかし、それでは結局スペックと価格だけの戦いに終始してしまいます。アカウント営業に求められるのは、顧客の戦略的課題を中心に据えたアプローチを展開すること。その結果として顧客にパートナーとして認められます。そのためには、顧客のニーズに対して、上流上位で攻めの営業活動をしていかなくてはなりません。ある課題に対して、「すぐに見積を出します」と応えるのではなく、「なぜ、相手はこう言っているのか?」を深く分析し、事業課題を共有した上で、「自分たちに何ができるか」をしっかり考えることが問われています。

参考:アカウントプランによる案件創出マネジメントの徹底

セミナー配布資料より

顧客の事業課題を分析するためのツールの有効活用

具体的には、「顧客のユーザーはどんな価値を求めているのか」「顧客はそれに対応できているのか」「顧客の競合はそれに対応できているのか」「そこに差はあるのか」を分析します。もし、市場のトレンドに対して1社だけ対応できていればかなり有利ですが、競合に先を越されていれば事業課題となります。それを見極めて、顧客に提示して一緒に考えていくことがアカウント営業では求められます。

そこで欠かせないのが、顧客が抱える事業課題を分析するためのツールです。かつては、インターネットや新聞記事から探し出すしかなかったのですが、現在は様々なツールを活用できます。日経バリューサーチはその代表ですが、ツールを活用すれば、顧客がどういう状況に置かれているのかを容易に把握できるので、まずは、顧客の事業課題の仮説を立てます。次に、仮設の事業課題を顧客の上位の方に確認し、共有します。共有したら、その解決策をより具体的に分解して提案し、再度共有。自社の商品では解決できないことでも、何らかのノウハウで貢献するなど、方法はあるでしょう。

この場合、顧客の3C情報から戦略・事業課題を捉え、どの取引が取れていてどこが取れていないのか、事業課題をどの部門が担っていて、どう提案すればいいのか、仮説を立ててストックしておきます。この顧客にはこのような案件活動があるはずという仮説を登録しておくのです。その上で、攻めの営業を掛けていく状況になれば、ストックから実際にアプローチするという流れになります。ただ顧客の要望に応えるのではなく、こちらから動いて案件化していくという案件創出も可能だということです。

このように、アカウント営業では、顧客から「信頼できるパートナー」だと認知してもらうことが求められます。あらゆるツールを駆使して、攻めの営業活動を行い、信頼を得ることができれば、顧客のあらゆる課題解決に対して共に話し合い一緒に歩んでいける存在となれるでしょう。

講演レポートは2019年6月13日に開催したセミナーの抜粋です。

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講演3

「日経バリューサーチ」で実現するセールス・イネーブルメント

日経バリューサーチ for SFA による
効果的営業支援

日経メディアマーケティング株式会社
福浦 伸也

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セールス・イネーブルメントに不可欠な“データ活用”

営業活動において、質を見極めて素早く対応するためには、「コンテンツ」と「仕組み」が必要。そこで力を発揮するのが日経バリューサーチ for SFAです。

国内最大規模の企業・業界分析プラットフォーム「日経バリューサーチ」には、日本経済新聞社の新聞記事やニュース、人事異動や人物情報などが収録されています。もちろん、詳細財務やマルチプルなどの財務データはもちろん、コーポレートガバナンス評価などの非財務データや市場トレンドや競争環境といった業界情報も豊富です。このようなデータをパワーポイントやエクセルといったソフトに取り込んで資料作成をする場合も日経バリューサーチは手軽に行えます。人物情報はBtoBビジネスにおいて重要な情報源ですが、役員クラスはもちろん、次課長級の方も収録しています。キーマンの細かな経歴も素早くチェックすることが可能です。

その日経バリューサーチをSFAプラットフォームにオンデマンドで組み込んで使えるのが日経バリューサーチ for SFAです。日常的に使っているSFAの中で情報をスムーズに入手できる点が特徴です。

SFAを営業管理ツールから営業支援ツールに

SFAに取り込み可能なコンテンツを細かく見ていくと、まずは日経朝夕刊と地方経済面、日経産業新聞、日経MJ、日経ヴェリタス、日経プラスワンといった各媒体の記事情報が挙げられます。日経速報ニュースやディスクロージャー、プレスリリースも流れるため、もし重要な速報が流れたら、すぐに企業情報に紐付く形でよりSalesforceから見ることができます。さらに、企業情報は国内約3万社に及び、人物情報は国内17,000社・30万人以上を網羅しています。

また、日経バリューサーチ for SFAを使うと、これまで使っていた営業管理ツールが強力な「営業支援ツール」に早変わりするメリットもあります。まずは取引先を短時間で分析できる点。顧客の事業内容や業績推移をはじめ、どんなニュースが流れているのか、さらに人事異動についても自動で更新します。次の特徴として、シナリオ・人物からの顧客開拓ができること。「業績好調」「従業員増」「設立○周年」など、様々なシナリオを用意し、それに応じたターゲットリストを作成できます。また、日経のデータベースに収録されている30万人の人物情報とリンクし、未開拓先の企業やキーマンへの接触も可能にします。

さらに「営業チャンスを逃さない」機能もあります。取引先に人事異動が発生した場合にメールやアラートでプッシュ型の通知を行うため、最新の重要な情報を逃すリスクを減らせます。

メディアとしての強みとテクノロジーが融合

日経バリューサーチ for SFAは、メディアとしての日経の強みが、テクノロジーと融合させて構築したサービスであり、通常のリスト提供会社とは異なるABMが実現できると言えるでしょう。取引先や取引先を取り巻く外部環境について、常に最新の情報が正確に把握し、重要なニュースや人事異動情報などをタイムリーにキャッチすることは「信頼できるパートナー」の第一歩です。

スタッフ間の能力差を低減し、チーム力を底上げ

信頼性の高い日経の情報を手間なくチーム共有でき、提案前の分析の時間を創出できる点も導入メリットです。さらに、忙しい営業スタッフには、移動中の時間を有効に活用できる点も見逃せません。スマートフォンのSalesforceから、顧客の最新情報を素早くチェック可能なので、ネット検索などよりはるかに短時間で有用な情報を活用できます。

情報収集には、スタッフ間の能力差が生じます。しかし、日経バリューサーチ for SFAを活用することで、チーム全員がSalesforceから日経の情報を取得できます。情報収集を苦手とするスタッフの情報力を向上させ、チーム全体を底上げできるという点も、見逃せない導入メリットと言えるでしょう。

講演レポートは2019年6月13日に開催したセミナーの抜粋です。

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なぜ、今「営業」に特化した育成が必要なのか?

「セールス・イネーブルメント」を日本語では「営業人材開発」と言います。海外では、営業の「売上げと生産性」を上げるため、企業内に散在していたものを責任者が管理し、トレーニングやコーチングを実践していくことだと定義づけています。そして「テクノロジーを最大活用していく」ことこそが、セールス・イネーブルメントの重要なポイントになっています。

では、なぜ「営業」に特化した育成部門が必要なのか? 我々は4つの理由があると分析しています。

  • 営業組織のカルチャー=トップ営業のスキルを全体が共有することは難しい。
  • 属人化しやすい営業=営業はアートにも似て、個人の力量がものをいうと考えられています。しかし、最適な営業手法をモデル化して営業の基盤を作ることは必要です。基礎の上で個性を活かすべきです。
  • 変化の早い市場規模=顧客のニーズが変われば、営業が持つべきノウハウも変わるはず。営業が継続的に進化・成長できる環境が必要です。
  • 組織拡大への貢献=営業組織の強さは経営に直結します。短期間でトッププレーヤーを育成できれば組織も強くなります。組織が拡大する上ではミドルマネジメントの育成も重要です。ここがダメだと退職率も上がり、部下を活かせません。

「人材開発・営業・テクノロジー」三位一体の組織

弊社の場合、人材開発部門にはコーチの資格を持つスタッフが在籍しています。もちろん営業の経験者も重要です。さらに最新テクノロジーを使いこなせる人材も必要。私たちのチームにもSalesforce技術者の中でも貴重な上級開発者の資格を持つSEが在籍しています。この三位一体の組織で営業に特化した人材開発のプログラムを作り、テクノロジーを使って定着化させています。

セミナー配布資料より

セールス・イネーブルメント部門のKPIとは?

1つめは、「入社後の“立ち上がり”を早期化」。新人が短期で1人前になれば、会社に早くリターンを返せます。採用とトレーニングのコストの圧縮につながります。

2つめは、「営業“達成率”の向上」。つまり、売上げの拡大です。ただし、達成率の平均値ではなく、「中央値」を見ます。平均値で見てしまうと、ひとりが驚異的な数値を出せば達成率がはね上がり、全体のレベルが測りにくいからです。

3つめは「営業“生産性”の向上」。1人あたりの受注額です。

セールス・イネーブルメント部門が提供するサービスとは?

セールスフォース・ドットコムのセールス・イネーブルメント部門が提供しているサービスは具体的に以下のようなものがあります。

まずは「育成プログラム」。4週間にわたるオンボーディングプログラムである“Boot Camp”をはじめ、昇格を控えた人がすぐに活躍できるようにするための総合的なスキルトレーニングなども行います。

次は「学習環境の整備」。オンラインの育成プログラム“Trailhead”を活用。クラウド上で使えるので、いつでもトレーニングが可能です。社内成功体験の集約と展開を行うシェアリングサクセスなども行います。

3つ目が「育成的営業支援」。行動変化を促すための育成手法で、営業リーダーとの共同育成プログラムを一緒に策定し、営業手法自体を開発することもあります。営業リーダーと呼応し、必要なメンバーを固定してフォローアップする点が特徴です。

4つ目は「成果分析育成法の開発」。私たちが得意とするデータ分析を活用するものです。SFAデータの分析でトレーニング成果を可視化した、“Learningforce”という1対1の育成支援があります。現在、AIを活用したコーチングポイントも開発中で、2019年夏にはスタートする予定です。

その他にマネジメント強化のための「リーダー育成プログラム」や、パートナーと共に成長発展するための「パートナー顧客向け支援」があります。

CRM/SFAのデータ活用が不可欠である理由

個々の営業の動きや顧客の声を分析することで初めて的確な1on1コーチングが可能になります。そのために3つのデータを活用します。CRM/SFAデータ(営業活動&営業結果)、Enablementデータ(人材開発の結果)、MAデータ(配信された情報の閲覧結果)です。

具体的な活用方法は、例えば、縦軸に営業の達成率、横軸をEnablementプログラムとしてグラフを作成すると、メンバーを4タイプに分類できます。

  • 要継続学習(トレーニングに出ておらず目標未達成)
  • 実践力向上(トレーニングに出ているが目標未達成)
  • 天才orまぐれ(トレーニングに出ずに目標達成)
  • 模範的営業(トレーニングに出て目標達成)

このうち、の人は問題なし。の場合、天才は別として、たいていは「まぐれ」なのでに落ちる可能性があります。にはトレーニングを促し、はツールやナレッジを提供して自走できるように支援します。問題はです。頑張っているのに結果が出ない退職者予備軍です。トレーニングが合わないか、マネージャーと相性が悪い可能性もある。私たちは、の人たちには特に注視し、営業マネージャーとコミュニケーションを取ります。

このように会社として助けが必要な人材を見極める意味でも、データは欠かせません。可視化できなければ、有効な戦略は立てられず、結局は運任せの営業に終始します。

セミナー配布資料より

生産性を確実に上げるための行動分析とは?

私たちは「1顧客接点数辺りの売上げ」のデータを見ています。1億円の案件を決めるのに10回かかったら、1回あたり1000万円。2000万円の案件を一発で決めたら1回で2000万円。この数値は個人差が大きく、同じ給料で同じトレーニングをしていても、4倍も差が出ます。では、どうすればいいのか?

両者の何が違うのか、原因を徹底的に分析します。予定表、メールの内容、タイムマネジメント、顧客との話し方、細かなところまでモニタリングをして、原因をあぶり出します。

生産性が劣る人たちの共通点は、「1週間のタイムマネジメント」ができていないこと。また、「準備する力」が圧倒的に弱いことも要因。顧客に質問されて「持ち帰ってすぐに回答します」ではダメです。また、「現場での合意形成力」に欠ける点も共通します。そんな人たちは顧客の「YES」を引き出すためのトレーニングで補います。

徹底した商談フェーズ運用ルールが“売れる営業”を育てる

私たちは商談のフェーズを5段階に分け、フェーズアップのトーク例なども解説する、言わば「商談の虎の巻」を作成しました。商談のどこで躓いたがわかると、何が課題なのかがわかります。メンバーごとに弱いところを可視化し、トレーニングすることが可能になります。

セミナー配布資料より

ナレッジマネジメントが継続的な学習カルチャーを支える

ナレッジマネジメントの3ステップ(①増やす、②溜める、③届ける)を工夫することで、継続的に学習するカルチャーを醸成できます。私たちは社内SNSを活用し、個人の持つ暗黙知を流通させ、自発的な発信を促すことでナレッジを増やしています。蓄積したナレッジの「いいね」ランキングやコンテンツのダウンロードランキングをもとに、使える鮮度の高い情報を整理します。そして、MAを使った“コンテンツジャーニー”という機能で人に合わせたコンテンツを届けます。

セールス・イネーブルメントは経営のすべてにつながる

営業に特化した人材開発は、売上アップだけでなく、社員満足度や退職率の低減など、経営に直結します。そして、セールス・イネーブルメントでは、営業の動き、顧客の声、KPI、営業結果のすべてを総合的に見ることが不可欠で、CRM/SFAの活用なしに語ることはできないのです。

講演レポートは2019年6月13日に開催したセミナーの抜粋です。

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