講演録

社内を連携する
BtoBマーケティング

ABM(アカウントベースドマーケティング)実践に向けたセミナー

セミナー・レポート | 2018.12

このレポートは2018年5月17日開催のセミナーの抜粋です。

詳細なレポートと資料はこちらでご覧になれます。


近年盛り上がりを見せているBtoBマーケティング。全社的な視点でマーケティング改革に取り組む企業が増える一方で、組織や運用の壁に阻まれることが多いのも現状だ。どのようにしてマーケティング部門で創出した案件を売り上げにつなげていくのか。

基調講演

ABMでがっちり繋がるマーケティングと営業

~売り上げ最大化に絶対必要な3つのポイント~

2016年に『究極のBtoBマーケティング ABM』を執筆し、これまで300社を超えるBtoB企業のマーケティングに携わってきたシンフォニーマーケティングの庭山一郎氏が、ターゲット企業からの売り上げを最大化する手法を、事例を交えて紹介した。

庭山 一郎 氏
シンフォニーマーケティング 代表取締役

"売れる仕組みづくり"としてのマーケティング

マーケティングという言葉は普及しているものの、実は世界でオーソライズされた定義はない。そこで、庭山氏が率いるシンフォニーマーケティングでは、マーケティングを“売れる仕組みづくり”として定義。案件をつくるためのマーケティング活動に取り組んでいる。

案件をつくり、営業あるいは販売代理店に案件を安定供給するのが「デマンドジェネレーション(営業機会の創出)」であり、これを司る仕組み、もしくは組織を「デマンドセンター」という。

同社ではABMを「全社の顧客情報を統合し、マーケティングと営業の連携によって、定義されたターゲットアカウントからの売り上げ最大化を目指す戦略的マーケティング」と定義している。このABMを実現するためには、まずデマンドセンターを立ち上げることが第一歩となる。

アクセプト率93%。営業の無視率を劇的に減らすABM

2013年、庭山氏がアメリカで参加したカンファレンスでABMの事例が紹介された。その時のテーマは「50%以上の営業の無視率をどうやって減らすか」というもの。マーケティング先進国のアメリカでも当時は50%以上もあった。そんな中、ABMを導入したアメリカの事例では、マーケット部門が創出した案件に対して、初年度でアクセプト率63%。次年度は93%にまで上昇した。このデータは衝撃的だったと庭山氏は言う。一方、今の日本ではまだ95%もの案件(MQL)が営業に無視されているのではないかと庭山氏は語る。つまり、まだマーケティング部門の必要性が営業に認識されていないのである。

「デマンドジェネレーションの場合、まずは市場を定義します。例えば、ターゲットを自動車部品製造業の中堅、売上500億円以上~3000億円未満の企業、設計部門の人、のように定義します。しかしABMの場合は、ターゲットアカウントの開発事業所の研究開発センターか設計センターで自動運転を研究していて、稟議書を書ける課長職の人、というように“何をしている人なのか”ということを決めてからマーケティングをします」

営業目線でマーケティングを再設計するのがABM。だからこそ、営業が案件を追い、劇的にアクセプト率を上げることが可能になる。

売り上げ最大化に絶対必要な3つのポイント

売り上げを最大化するABMを成功させるにはどうするべきか。庭山氏は、3つのポイントをあげる。その3つとは、デマンドセンターで運用する「データマネジメント」「コンテンツマネジメント」「アナリティクス」のこと。「BtoBのビジネスチャンスは非常に短いからこそ、高度な分析・解析が非常に重要になる」と事例を挙げつつ、これまでのビジネスではターゲットアカウントに対して、営業窓口がひとつだった。点から面の営業へ。つまり、窓口をターゲットアカウント全体に広げ、全社的に製品を購入してもらう仕組みをつくることで、ターゲットアカウントと強く結びつき、ロングテールよりも遥かに効率的に売り上げを最大化にすることができるのだ。

「日本企業の文化として、これまでアカウントベースドセールスを行って来たからこそ、ABMの導入に向いている」と力強く語った。

ABMを加速させる外部情報の活用

このレポートは2018年5月17日開催のセミナーの抜粋です。

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